文書番号103571：無線LAN の規格の違いについて

ご質問

無線LAN の規格の違いについて教えてください。

ここでは、無線LAN の規格の違いについて、また、無線LAN の規格の 1 つである IEEE802.11a 規格の変更について説明します。

現在、無線LAN の規格には以下の 3 つがあります。

これら無線LAN 規格のおもな特徴は次のとおりです。

規格名	使用周波数帯	最大通信速度	特徴
IEEE802.11a	5.2GHz	54Mbps	・電波の干渉が少ないので、大容量データの転送や動画コンテンツに最適・壁などの障害物に弱い・家電製品や無線機器からの電波干渉が少ない・屋外での使用は不可
IEEE802.11b	2.4GHz	11Mbps	・コストパフォーマンスに優れ、手軽に無線LANが導入可能・電波の届く距離が長く、障害物にも強い・家電製品や無線機器からの電波干渉を受ける・屋外でも使用可能
IEEE802.11g	2.4GHz	54Mbps	・11bと互換性があるので、今までの環境はそのままで導入が可能・電波の届く距離が長く、障害物にも強い・家電製品や無線機器からの電波干渉を受ける・屋外でも使用可能

上記のとおり、IEEE802.11a / IEEE802.11b / IEEE802.11g では、電波が使用する周波数と通信速度に差があります。

IEEE802.11a は最大で 54Mbps のスループット (通信速度) を実現する高速規格です。
5.2GHｚ帯の周波数を利用するため、電子レンジや Bluetooth などの干渉を受けにくく、自宅などでストリーミングなどの用途に向きます。
ただし、壁などの障害物に弱いため、フロアを隔てた通信などには不向きです。また、IEEE802.11b や IEEE802.11g との互換性はありません。
IEEE802.11b は現在最もスタンダードな無線LAN 規格です。
壁などの障害物に強く、伝送距離も比較的長いため、オフィスや壁面の多い家庭内の 1 階と 2 階の通信などに向いています。
IEEE802.11g は IEEE802.11b との互換性があり、最大で 54Mbps の高速通信を実現します。
既存の IEEE802.11b 環境を利用してグレードアップしたいときにも適しています。

総務省より電波法施行規則等の改正省令が、2005 年 5 月 16 日付けで公示されました。これにより、IEEE802.11a の周波数が変更されました。

従来の IEEE802.11a と新しい IEEE802.11a の違いは以下のとおりです。

従来の IEEE802.11a 規格で使用していたチャンネルが変更になります。
(変更前： 34,38,42,46ch → 変更後： 36,40,44,48ch)
新たにチャンネルが追加になります。(52,56,60,64ch)
新たに追加されるチャンネル (52,56,60,64ch) の無線LAN アクセスポイント (親機) では、「DFS」「TPC」という電波の制御機能が使用されます。
新たに追加されるチャンネル (52,56,60,64ch) では、無線LAN 端末 (子機) のアドホックモードは使用できません。

上記の変更に伴って、現在ご使用いただいているパソコン環境では無線LAN が正しく動作できない場合があります。対象機種の無線LAN ファームウェアをアップデートする「無線LAN アップグレードツール」を、弊社ホームページ上で公開しております。

対象機種など詳細については、以下の文書番号をご参照ください。

また、無線LAN「Intel2915ABG」ファームウェアアップデートツールは、以下のページにてダウンロードすることができます。掲載内容を確認のうえ、ご利用ください。